【X-X2入替戦】 サイドワインダーズvsクラブホークアイ 試合レポート
’16.11.27
夢を叶えた再逆転FG。ホークアイが創部初のXリーグ昇格
サイドワインダーズがXで1年間戦ってきた自信とプライドで残留を決めるのか、それともクラブホークアイが1989年の創部以来、初となるX(1部)昇格を果たすのか。注目のゲームは、最後のプレーで勝者が決まる劇的な戦いとなった。
まず、先制したのはホークアイだ。
自陣40ヤードからの攻撃。QB#5遠藤からWR#15麻生へのパス、RB#2渡辺のランなどで敵陣35ヤードまで進入。
ここからQB遠藤が、WR#40豊福への縦パスをきれいに決めTD。TFPキックは失敗したが、6-0とした。
一方、力を見せつけたいサイドワインダーズだが、スナップミスでターンオーバーを奪われたり、敵陣17ヤードまで攻め込みながら、K#37坂本がFGトライを外してしまうなど、まったく良いところなし。
逆にホークアイは、自陣22ヤードからの攻撃でRB#29藤井が持って走り前進。QB遠藤がWR麻生へのパスを決めると、WR#14中川、WR豊福へのパスもテンポよく決め敵陣40ヤードまで進攻した。
ここでQB遠藤がWR#10陶山へTDパスを投じ成功。13-0とさらにリードを広げた。
何とか追い上げたいサイドワインダーズは、相手パントのミスで得た敵陣47ヤードからの攻撃で、QB前田(龍)がWR#4国府へのパスを決めると、RB#27平井が2度のランで敵陣37ヤードまで進入。
ここでQB前田(龍)が、WR国府へ縦パスを決めTD、サイドワインダーズが7-13と追い上げ、前半を終えた。
後半、サイドワインダーズが怒涛の反撃を見せる。
自陣25ヤードからQB前田(龍)がWR国府へパスを決めると、QB前田(龍)の2度のスクランブルランでハーフライン付近まで前進。
さらにRB#2山路のラン、WR国府へのパス、QB前田(龍)のスクランブルランやRB#32川嵜へのスクリーンパスなどで敵陣19ヤードまで迫る。
しかしここからTDには至らず、K坂本が34ヤードFGを決め、10-13と差を縮めるにとどまった。
ホークアイもDB#23松木のインターセプトから得た敵陣36ヤードからの攻撃で、QB遠藤がWR麻生へパスを決め大きく前進すると、K陶山が30ヤードのFGを決め、ホークアイが16-10と再びリードを広げる。
Xの意地を見せたいサイドワインダーズ。逆転へ向け最後のオフェンスを展開する。
QB前田(龍)が3度続けてパスを失敗するも、4thダウンからWR#7木村へのパスを決め敵陣24ヤードまで前進。さらにここからも、4thダウンギャンブルからWR木村への際どいパスが決まり、ゴール前2ヤードまで前進した。
このチャンスにRB川嵜が右オフタックル付近を走り抜けTD。TFPキックも成功し、17-16と、ついにサイドワインダーズが逆転に成功した。
試合残り時間1分40秒、自陣25ヤードからの攻撃となったホークアイ。
QB遠藤はWR麻生、#14中川へのパスを続けて決め、自陣42ヤードまで前進。ここからQB遠藤のスクランブルランで前進するも、3rdダウンはパスを失敗する。
4thダウンに追い込まれたホークアイ。ここで「いつか使うときがあると思って練習を重ねてきたプレー」(ホークアイ・古川監督)が決まる。
QB遠藤がWR豊福へパスをすると、キャッチした豊福が、後ろから走ってきたWR麻生へピッチ。スピードに乗った麻生がそのままゴール前8ヤードまで走り、ムードは一気にホークアイへ傾く。
ここからRB#29藤井のランでコントロールし、K陶山が25ヤードの再逆転FGをしっかり蹴りこみ試合終了。19-17でホークアイが勝利を納め、創部以来、初となるX(1部)昇格を果たした。
ホークアイの古川監督は「能力の高い新人が加入したが、システムに馴染むのに時間がかかった。秋になってようやく新人がうまくチームにマッチし得点力が伸びた。元々ディフェンスは堅守で辛抱強かったが、今日は身体の小さなOL陣も踏ん張ってくれるなど、ディフェンスに応えようとする気持ちを選手から感じとることができた」と、涙ながらに話す。
「ただ、お祭り騒ぎは今日だけ。明日からは体力、戦術、環境など、Xで戦えるチーム作りをするための挑戦が始まる」と、来シーズンを見据えていた。
一方、サイドワインダーズの森下監督は「X2を勝ち抜いてきたチームと戦う入替戦の難しさをあらためて感じた。あきらめないという気持ちで勝ったホークアイが一枚上手だった」と、試合を振り返る。
「新しいリーグは、地力をつけて上を目指せる良いシステムなので、骨太のチームになって戻ってこられるように出直したい」と、Xへの復帰を誓っていた。